プロフィール
タニシゲ
タニシゲ
佐賀県伊万里市でマーケティングと企業再生のコンサルタントをやっています。企業さんの売上アップ、商店街活性化、地域活性化、地域産業の振興など、地域が元気になるのが私の喜びであります。
<略歴>
1973年1月 誕生
伊万里幼稚園、大坪小学校、伊万里中学校、伊万里高等学校と、18年間伊万里で過ごす。
横浜国立大学経済学部卒業後、伊万里の近くに帰りたいと思い、長崎県内の銀行に入行。
地域シンクタンク業務を行う情報調査部、経済研究所に配属となり、地域経済調査、産業調査、政策提言などを行う。
その間、福岡の地域シンクタンクに2年間出向し、「九州経済白書」の執筆にも参加。
銀行を退職後、伊万里市内の経営コンサルタント事務所に勤務する傍ら、中心市街地活性化グループ「eまち伊万里プロジェクト」でも活動中。
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中小企業白書(2009年版)

2009年04月26日

 タニシゲ at 14:36  | Comments(0) | TrackBack(0) | 経済・経営ニュース
中小企業白書(2009年版)が、4月24日に公表されました。

中小企業白書とは、中小企業の動向等を国会に報告することを目的として、中小企業庁が毎年発行している白書のことです。
白書では、最近の経済環境や中小企業の動向などが分析してあり、成長している企業の特徴や事例などが書かれているほか、国の中小企業政策や予算についても示してあります。

今年の白書の概要は、以下の通りです。


1.「平成20年度中小企業の動向」の概要
中小企業の業況が一段と悪化し、かつてない厳しい状況となった2008 年度の動向を分析。こうした状況の中、中小企業が、その強みである創造性や機動力を一層活かし、直面する苦境を乗り越えていくための視座として、中小企業のイノベーションと人材の確保・育成を採り上げ、分析を行った。

第1章 2008年度における中小企業を巡る経済金融情勢
世界的な金融危機が発生し、世界経済が減速している影響を受け、我が国の景気が急速に悪化し、雇用情勢が厳しさを増す中、中小企業の業況、資金繰り等の動向を分析。

* 我が国の輸出の減少に伴って製造業の生産が急速に減少し、下請事業者の受注が大幅に減少するなど、中小企業は売上の減少に直面し、業況や資金繰りが悪化
* こうした中、政府は、30兆円規模の資金繰り対策、下請取引の適正化等、中小企業対策の積極的な実施に取り組んだ。

第2章 中小企業による市場の創造と開拓
厳しい経済情勢の下、中小企業が売上の維持・拡大を図っていくため、変化する市場のニーズを把握し、イノベーションを実現していくための課題を分析。

* 中小企業のイノベーションの特徴(強み)は、経営者の創意工夫や機動的な意思決定等にある。
* 研究開発に取り組む中小企業は業況が良い傾向がある。現在、厳しい経営環境にあるものの、中小企業が研究開発等を通じてイノベーションの実現に取り組んでいくことが期待される。
* 中小企業が販路を開拓していくため、市場のニーズを把握するためのモノ作りとサービスの融合のほか、農商工連携、ITの活用による顧客獲得、海外市場の開拓等に取り組むことが重要。
* 中小企業のイノベーションを支える経営資源については、知的財産の戦略的な保護と活用、イノベーションを担う人材の育成のための技術・技能承継等、資金供給の担い手である金融機関の目利き能力の向上等が必要である。

第3章 中小企業の雇用動向と人材の確保・育成
雇用情勢が厳しさを増す中、中小企業の雇用動向や中小企業で働く人材の現状を示すとともに、中小企業を支える人材の確保・育成に向けた課題を分析。

* 中小企業全体の雇用過剰感が高まっているが、引き続き不足感のある中小企業もあり、雇用のミスマッチが生じている。
* 中小企業で働く正社員は、非正規労働者からの中途採用や、異業種からの転職者も多い。厳しい雇用情勢を踏まえ、人員が不足している一部の中小企業へ人材の橋渡しを行うことが重要。
* 中小企業の労働条件についてみると、中小企業の正社員の一部は大企業の平均賃金を上回る賃金水準となっており、また、大企業と中小企業で仕事のやりがいにはほとんど差がない。経営者と従業員のコミュニケーションを高めること等により、中小企業の従業員の意欲と能力を高めていくことが重要。

2.「平成21年度中小企業施策」の概要
(1)急激な環境変化への円滑な対応、(2)経営力向上対策、(3)新分野への挑戦に対する支援、(4)小規模企業の組織連携化対策の4点を中心に、平成21年度において講じる施策を記述。



中小企業診断士試験の受験生にとって必読の書であるこの白書ですが、実はまだ読んでいません(笑)。
赤字で示した部分は、概要にざっと目を通した時にピンときたキーワードです。

1点目は「売上の減少による資金繰りの悪化」です。
会社の経費には、変動費と固定費があります。
変動費は、売上が減ればそれに比例して減ってくれますが、固定費は、売上が増えようが減ろうが金額が変わらない経費です。
例えば、去年は売上が1億円、固定費が9千万円で1千万円の利益を出していた会社があったとしましょう。
今年の売上が9千万円になれば固定費が9千万円のままだったら利益は0円になります。
まあ、利益0円で赤字じゃないならいいのではという方もいらっしゃるかと思いますが、それは借入金がない場合の話です。
毎年500万円の返済があるとして考えてみますと、去年は1千万円の利益から500万円の返済をして500万円のお金が手元に残りますので、あとの500万円は次の投資に回したり、賞与や昇給の原資に使えます。
今年は利益が0円にもかかわらず、500万円を返済しなければならないので・・・、会社の貯金を取り崩すか、またどこかから借金するか、経営者個人のお金を入れるか・・・、ということになります。

こんな感じで、資金繰りが苦しくなっている企業さんは少なくありません。
実際に、私達のところにも売上減少による資金繰り悪化の相談が増えています。
(しかも、不足金額は500万円どころではありません・・・)
では、こうなる前にどうすればよいかというと・・・、売上の増加、または経費の削減です。
売上を増やす・・・、これは、今のご時世で一朝一夕に改善することは難しいです。
となると、経費の削減と管理が効果的になります。

それと、金融機関に勤める友人が「緊急融資で一息ついた企業さんも、しばらくしたらまた資金繰りが厳しくなるだろう。」と言っていました。
そうですよね。
売上が回復せず、経費も削減できないままだとしたら、せっかく借りたお金もどんどん会社から出て行くだけですから。
緊急融資で一息ついた間に、業務内容を見直し効率化を図るなどして、1円でも会社にお金が残るような体質に変革することが生き残るためには不可欠なのです。

2点目は「市場のニーズを把握する」です。
これは、売上を伸ばすために最も早道な方法です。
中小企業の場合は、お客様1人1人のニーズと考えてもいいかもしれませんね。
「お客様が欲しがるものを準備して売るお店」と、
「お客様が何を欲しがっているかよく分からないので、とりあえず今までと同じものを並べて売っているお店」
売上が増えるとしたらどっちのお店でしょうか?
考えるまでもありませんね。

便利なもので、白書はネットからダウンロードして見ることができます。
こちらのページに全文のPDFファイルがありますので、興味がある方は是非ご覧ください。
私も時間があるときに読んでみて、興味深いものがあればこのブログで取り上げたいと思います。